制服汚しちゃいました
仰向けに寝ていた朔さんがこちらを向いた。左側から熱い視線を感じる。
「えっ…と…。」
「ダメ…?
ぎゅってするだけ。他に何もしないから。」
「…じゃあ、ぎゅってするだけなら…。」
あたしがそう返事した直後、冷えていた身体の左側が少しあたたかくなる。
「ねぇ。」
「…次は何…?」
「こっち向いて?」
「…ん。」
あたしは左側を向いた。
でも目が合うのは恥ずかしくて、うつむいてしまう。
「…藍梨ちゃん?顔上げて?
可愛い顔、見せてよ。」
なんでそういう恥ずかしいことが簡単に言えるのだろうか…。
女慣れしてるんだろうな、きっと。
人当たりもいいし、ルックスもいい。
おしゃれで、背も高い。
如何にも、モテますって感じだもんね。
あたしはゆっくり顔を上げる。
すると、こちらをみていた朔さんと目が合った。
「…可愛い。」
そういって、あたしの頬に手を添えてくる…。