夢で彼に遭えたら
【1st・過去形】
好きだった
石で造られた校門に
立つのは新入生達。
私もその1人。
佐々敷 梓
(ささしき・あずさ)
小学生からあがった
ばかりの中学生。
やっと入学できた
中学校には、ほとん
ど知った人ばかりだ
ったが一つだけ違う。
彼がいない。
でもそれに耐える
くらいに、私も強
くなった。
門をまたぎ、入学
した。
その季節も桜が吹雪き、
薄い桃色の花びらが
彼、彼女等を取り巻く
季節だったのを覚えて
る。