「嘘」と「愛」
はじまり
私はお母さんに頼まれていたドレッシングを買いにいった。
なんで家にもまだあるのに、どんだけドレッシング使うのよ。なんて思いながら買って家に帰った。
「ただいま~」
家に入るとへとへとになった蓮にぃが二階に上がろうとしていた。
「向かいの、あの~、なんて名前だっけ?福山だっけな?あいつ帰ってきたらしいな」
にやにやしながら私に話しかけてくる兄ちゃん...。
そう、蓮にぃは私の初恋があーくんだということを知っている。
「なによ~、からかいにきたの~?蓮にぃだって春ねぇなんでしょ~」
春ねぇ(橋中春(はしなかはる)は、しゅんくんのお姉ちゃんだ。
春ねぇと蓮にぃは幼馴染みで、たぶん蓮にぃは春ねぇが好きだ。
春ねぇは全然気づいてないみたいだけどね笑
「えっ、蓮也にぃちゃん春なんか好きなの?やめとけよ~」
「るせー!す、すきじゃねーよ!お前だって「あぁーーーーーー!蓮也にぃちゃん晩御飯できるぞ!たべよたべよ!」
しゅんくんは慌てて蓮にぃの口を塞いだ。
なにをそんなに慌ててんだか....
「てかなんでいるのよ?もしかして春ねぇとかみんないる感じ...?」
「それどころか、俺んちの家族全員とお前んちのいとことか、俺んちのいとことか、はとことか、あっ、そーだ、藍音もいるぞ」
「えええぇ?!あーくん?!」
私はしゅんくんをおいて、急いでリビングに入った。
「あーくん?!」
「お前は相変わらず慌ただしいやつだな、ご飯食べるぞ」
「う、うん、食べる!」
きっと、顔真っ赤だ。恥ずかしい。でも、本当に嬉しい。あ~、幸せだ、いま。
そんなこと思いながらあーくんを眺めてると
「なに見てんだよ、ほら、こいよ」
ばれてた。はずかしー。
でも、あーくんは自分の隣の席をポンポン叩いて呼んでる。
きゃー!本当にかっこいい!なんて思ってたのに......。
「よっこいしょっと、よぅ、藍音、俺でもいーよな?」
「......あぁ。」
なにあいつ。私が呼ばれたのに。なんであいつが座ってんのー?!
私はいらいらしながらしゅんくんの隣にドスっと座った。
「ドスっだって、デブだなまじ。今日夕飯食べるなよ」
「はー?!誰がデブよ!はげ!」
「はげてねーっつってんだろ!」
言い合っていると、春ねぇがどす黒い声ではいってきた。
「しゅん~?今なんて?花蓮ちゃんのどこがデブよ?!レディにそんなことゆうなんて、姉として恥ずかしいわ...。罰を与えてあげるわね...。」
「げっ春だ...。やべっ」
そーいってしゅんくんは部屋を逃げ回る。それを春ねぇは追いかける。
そんなことしてるのをあーくんは見ていて、
「ふっははははー!おもしれー、はらいてーわ」
「え?なんで大爆笑?」
「なんか、こんな賑やかなの久々だし、なんかおかしくって」
「そーなんだ。そーいや、あーくんの妹さんは?確か、私の弟と同じ年だよね?なんで今日きてないの?」
「....あぁ、あいつは転勤したとこにお母さんと残ってるんだ。俺はお父さんと帰ってきた。」
そーいったあーくんはどこか寂しそうで、でも、なんか、他にも何かあるよーか感じがした。
「そーなんだ、じゃぁこれからはいつでもきていいからね!」
「あぁ、ありがと」
何かある気がしてそれ以上聞けなかった。
というか、聞くのが怖かったっていうのもあった。
それからみんなでご飯を食べてそれぞれ帰っていった。