晴ヶ丘高校洗濯部!
うちの高校のサッカー部は、全国大会に出場したこともある強豪で、毎年入部希望者がとても多い。しかし、その半分くらいは練習の厳しさに耐えられず、一ヶ月もしないうちに辞めていくそうだ。
マネージャーを希望する女の子も多いけれど、そんなにいても邪魔になるから、と各学年二人に絞られている。その決め方は選手の投票らしく、結局サッカーに対する情熱よりも顔の可愛さで選ばれているのだと、吹奏楽部の子たちが噂していた。
そんなサッカー部に対し、紫苑先輩が良い印象を持っていないというのは何となく察していた。
けれど、ここまで露骨に嫌悪感を示したのを、私は初めて見た気がした。
「毎回毎回、断られるだけじゃない」
「どうしたんすか、急に」
「急でも何でも無いわよ。ずっと思ってたの」
だって人が好過ぎるわ、と紫苑先輩の綺麗な唇が動く。どんな顔をしながらそう言っているのか、サングラスに隠されていてよく分からない。
「わざわざ断られに行く必要はないでしょ」
吐き捨てるように落とされていく言葉。
いつも優しくてふんわりしている紫苑先輩の纏う空気が、突然冷たくなったことに驚いた私は、その様子を眺めることしかできない。