晴ヶ丘高校洗濯部!
「今日は頼んでくるかもしれないじゃないすか」
「あいつらが一度でも頼んできたことある?」
「……それはないけど、もしかしたら」
「たとえ頼んできたとしても、あんな部活のものは洗う必要ないと思うわ」
そこまで言って、紫苑先輩はきゅっと口を噤んだ。
反対に、今度は日向先輩が眉を寄せる。
「あんな部活って言い方はないっすよ。一生懸命練習してる人がいることくらい分かってんだろ」
ゴロゴロ、と空が鳴った。どんよりとしていた空気が、さらに重くなったように感じる。
縋るように隣に立つ真央くんを見上げてみたけれど、じっと二人を見つめていて、止めに入る気配はない。
どうしよう、と洗濯かごを抱え直しながら考える。
私がここで止めに入ったとしても、上手く収められるような気はしない。というより、この空気に口を挟むような勇気は持ち合わせていない。
だからといって四人でこの場に立ち止まっていたら、そのうち他の部活の目を引くことになるだろうし、もしその中にサッカー部が混じっていたら最悪だ。