晴ヶ丘高校洗濯部!
そのためには、もっと色んな人と関わる機会を与えることが必要だと思った。自分に出来ることなら何でもしよう。その頃の洗濯部には男子部員しかいなかったため、いつか女子部員が入ってきたら、紹介しようと思っていた。
だから桜が、どんなふうに葵と接するのか気になった。
ダッシュで一個上の階の自分の家までコントローラーを取りに行って、ひっそりと桜の家に戻ってきた。部屋の外で聞き耳を立てていた。
――こんなに、自分が混乱することになるなんて思わずに。
「紫苑」
もう一度、部屋の中から桜が呼んだ。
頭の中が真っ白で、今自分がどうするべきなのか分からなかった。
足音が聞こえる。桜がドアのほうへと近付いてきた音だということは分かったけれど、それでも身体は動かない。