晴ヶ丘高校洗濯部!
「な、なん、どうして」
「さっきの時間やたらこっち見てなかった?」
バレてる……!
こっそり盗み見ていたつもりだったのに、米川さんはそれに気づいていたというのか。
うわあああ、と心の中で小さな私が絶叫する。実際の私はぽかんと口を開けたまま固まってしまった。
そんな私を不思議そうに見て、米川さんは再度首を傾げる。教室にいたクラスメイトたちは私たち二人が話している様子を、興味深そうに見ていた。
「ね、何かついてる?」
浮いている者同士の会話がそんなに珍しいのだろうか。いや、うん、珍しいのだろうな。教室中から遠慮なく向けられる視線が、ただただ好奇心に包まれている。
米川さんの顔をしっかり見たことはなかったけれど、こうして近くで見てみるとバッチリお化粧が施されていて、カラコンも入れているようだった。
明るい髪色とそのお化粧が米川さんを大人っぽく見せていて、余計に近寄りがたく感じるのかな、なんて。
私という人間はパニックになればなるほど、どこか冷静に分析する癖でもあるのだろうか。加工された大きな黒目がじっと私に向いていて、何か言わないと、と焦った私は口を開いた。
「ほ、……惚れました」
「は?」
あ、終わった。