Syndrome not to need
「………わかった?」

「おおおおおおお…!すげぇよ姉ちゃん!!教師に聞いてもよく分かんなかったのに、一発でわかった!!」

……なんでヤンキーしてんの律郎…。
わからない問題を教師に聞きに行くほど真面目なのに。

「律郎、何でヤンキーしてるの?」

「……ぎ、ギャップ萌えは、モテるって聞いたから……。」

……………………………??

「………え?」

「あ、いやその、クラスに好きな女の子がいてさ…。その子はもう俺にとっては高嶺の花で美人で可愛くておとなしくてとにかく可愛くて…。それに優しくて…。」

「うんうん。」

律郎が恋かぁ…成長したなぁ…。

「それで最近、ギャップ萌えっていうのが流行ってるらしくて、それでヤンキーになってギャップ萌えっての狙ってるんだ…。
でもなかなか上手くいかなくて…。」

「………努力するのはいいけどさ、方向を間違ってるよ。」

「え?」

「ありのままの自分を磨いて、それで挑んでみな。無理やり違う自分でアタックしても無意味だよ。辛くなって、その恋はすぐ終わっちゃうよ。」

「う………。わかった…。」

これで金髪も直すかなー。

「でも金髪はやめない!」

「なんで?!」

「気に入ってるから!」

自信満々にいうことじゃないでしょ…。(笑)

「とりあえず、まあこれで勉強大丈夫?」

「うん!ありがとう姉ちゃん!
今日、姉ちゃんが久しぶりに話しかけてくれて嬉しかった!ありがとうー!!」

………律郎可愛い………。ごめんね、いつも…。

「ごめんね、いつも…。じゃあ私、先にお風呂入るね。」

「うん!」

……律郎可愛かったなぁ…。
ごめんね律郎、いつも。ありがとう。

私は心の中で律郎に謝り、感謝した。
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