Syndrome not to need
お父さんが荒々しく出ていってから、沈黙が続いた。何でお父さんはいつもあんな風なんだろう。
私は頭の中できれていた。そして、沈黙を破ったのは律郎だった。

「母さん?どうしたの?何があったの?」

「……何にもないよ。律郎と秋穂ちゃんはどうしたの?」

「俺は喉乾いたから部屋から出てきた。姉ちゃんはお風呂入るって…。」

律郎は、まだ私と叔母さんをきょろきょろ見ながら言っていた。

「秋穂ちゃんお風呂入るのね。タオルはカゴの中に入ってるからそこから取ってね!
律郎にはお茶入れてあげるからちょっと待ってて!」

叔母さんはすぐいつもの明るい顔に戻して、律郎にお茶を入れ始めた。
清志おじさんはこっちへくると、私の頭を撫でて、「今日は辛かったな。お風呂、ゆっくり入ってきなさい。」と言ってくれた。
律郎にも「勉強お疲れ様。」と、頭を撫でた。その後はネクタイを緩めながら叔母さんと清志おじさんの共同の部屋に行った。

清志おじさんは、帰ってきたら必ず頭を撫でて何かしら褒めてくれたり話しかけたりしてくれる。
少しぎこちないけれど、その気持ちが私はすごく嬉しかった。

「じゃあ、お風呂先にいただきます。」

そして私はお風呂に入った。
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