Syndrome not to need
『コンコン』

「失礼します。」

そうして落ち着いた雰囲気の校長室に入った。
そこには担任の先生と校長先生、知らないおじさんとおばさん、もう一人知らない人がいて、そして何故かうちの両親がいた。

そして、私たちがソファに座ったら落ち着いた雰囲気で校長先生は話し出した。
私は母の隣に座り、悠也くんはその反対の隣に。母の隣に父がいて、一人用ソファーに知らないおじさんが一人座り、向かいに担任、知らないおじさんおばさんが座っていた。

「こちらの方は○×警察署の大門さん。
佐久さんの向かいに座っている方が、瀬木 直人くんのご両親です。」

せき、なおと……?
…………………あ、ストーカー男の…名前か。

「この度は、本当にすみませんでした!!!」

そうして、瀬木くんのお父さんは土下座した。
…えっ、え、これ、どうしたらいいの…。

「落ち着いてください瀬木さん。」

そうして、警察の大門さんが瀬木くんのお父さんをソファーに座らせた。

「えー…。瀬木 直人さんのしたことは立派な犯罪です。
警察は、直人さんの処罰は、転校、半径100メートル以内接近禁止、破った場合少年院行きという方向ではいかがだろうと言うことですが…。
内倉さんはどうですか?よろしいでしょうか?」

………まあ100メートル以内なら大丈夫かな。

「私はそれで…。」

しばらくは安心していれるってわけじゃないけど、まあいつかはなれるでしょ。

「秋穂、本当に大丈夫?」

久しぶりに聞いたお母さんの声はすごく優しく、私を本当に心配してくれているのが伝わってきた。
…お母さん好きだなぁ。

「うん。私は大丈夫。」

私はニコッと笑った。

「そう…。」

お母さんも少し笑ってくれたけれど、それでも心配そうだった。

「それではそういうことで…。秋穂さん。」

「はい。」

唐突に大門さんに名前を呼ばれた。

「職員室に行く扉の前に直人さんがいますが、会って何か言うことはありますか?直人さんは謝罪を述べたいとおっしゃっていますが…。会いたくありませんか?」

「…そ、れは…ちょっと……。」

職員室に行く扉の前にいたんだ…。
私は、昨日の包丁で殺されそうになった時のことを思い出して、少し手が震え出した。

「そうですか。では、私はこれで失礼いたします。」

………というかこれ、悠也くんがいる意味あったのかな…。
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