Syndrome not to need
「ゲホッ、ゴホッ…おっまえは、桐山…!
ぼくの…ぼくの邪魔をするなぁっ!!!」

そしてストーカー男は、次は桐山くんを切り付けようとした。

「やめっ!!……………!」

『ダンッ!!!』

「ぐっ……!!!」

私は止めようと立ち上がったら、桐山くんはスルリと包丁をかわし、ストーカー男をねじ伏せた。

「佐久さん!はやく警察に電話して!!」

「あ、はい!!!」

そして私は警察に電話をした。

『ファンファンファンファン』

あ、警察きた…!よかった…。怖かった…。

「警察きたな。……お前、どうしてこんなことしたんだ?」

「うるさい!!どけ!!!彼女を殺して俺も死ぬんだ!!寂しそうな彼女の為に!!!」

『プツンー…』

その時、私の中の何かが切れた音がした。

「あんたね…人の心を勝手に決めてんじゃないわよ!!
確かに私は寂しかった!けれどあんたに殺される筋合いはない!!
私は生きたいの!生きて幸せになりたいの!!」

いつも教室で何を言われても何も言わなかった私が、いきなり叫んだこと驚いたのか二人の目は点になっていた。

……というか私、生きて幸せになりたかったんだ…。
一時期は自殺未遂までしたのに……。
回復したんだな私の気持ち。

「大丈夫ですか?!」

そして警察官がパトカーから降りてきて、私達は事情聴取を受けた。
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