エンディングは”そこ”じゃない……
石鹸の優しい香りのする何かが顔の上を滑って行く
その感触で暗闇の中から引き戻されたと気が付き、まだハッキリしない意識を総動員してキョロキョロと瞳だけ動かし状況把握に躍起になる。
「気が付かれましたか?」
何処かの控室。
長椅子をベッド代わりにして休ませて貰っていたらしい。
そう判断したところに突然声を掛けられたものだから……
「うわぁ。危なっ……」
驚いて長椅子から床にずり落ちそうになった寸前に誰かの手によって元の場所へと引き戻される。
「ご……ごめんなさい」
そう言ってからゆっくりと体を起こして長椅子に腰かけて助けてくれた人と対面する事になった。