エンディングは”そこ”じゃない……
腫れモノ同盟
26歳の誕生日を迎える前に未亡人になった私は周りの皆から憐れみの対象になってしまったように感じる。
これから結婚を控えている友人たちにとっては考えたくもないリアルな現実を突きつける対象だったし、
結婚している友人たちは気の置けない仲間に旦那や姑の愚痴の一つでも言ってガス抜きしたいのに私が居るとそれも出来ない。
『”生きて傍に居るだけいいじゃない”私の存在がそう言っているように感じて口を噤むしかないのかも……』
周りの痛い程の気遣いを感じてからは一人とか二人の少人数の場合を除いては集まりに参加しないようになっていた。
「未亡人って言葉からイメージするのは、
イタリア映画に出てくる……常に黒い服を身に着け喪に服しているご婦人なんだけどなぁー」
「うん。分かるそれ……」
私がボソッと呟いた言葉に男性はクスリと笑い同意する。
「未亡人歴は6年で三十も越えてるのに、この体型と童顔な顔のせいで
いまだに子ども扱いされることがありますからね」
おどけて話す私に合わせてくれて、うん、うんと笑いながら相槌を打ってくれる男性。
「腫れモノなのは私も一緒です。
この際”腫れモノ同盟”でも結成しましょうか?」
男性も負けじとおどけてくれる。
「それイイですね。
”腫れモノ同盟”結成しましょう」
アハハと二人で声を揃えて笑い合った。