エンディングは”そこ”じゃない……

男性は私より1歳年上の32歳。

目下の悩みは七回忌の法要を終えてから周りがやたらと再婚を勧める事だと話してくれた。

「接待の場に行ったつもりが自分のお見合いだったと分かり兎に角焦りました。

ほんと相手の方に申し訳なくて……」

『当人が望んでいないのに幾ら親切心とは言えやり過ぎだよ』

まるで自分がされたみたいに沸々と怒りが沸いてくるのが分かる。

そしてある事を思い付いた。

「あの……今度の日曜日にお時間貰えませんか?」

「日曜は特に予定はありませんけど……」

「それなら息子の運動会に来て頂けないでしょうか?」

「えっ?運動会ですか……」

男性は本当に驚いた表情で私を見つめているから可笑しくなる。

「そうです。

私たち同盟を結んだので協力し合った方がイイと思ったものですから……

運動会に来て頂いて私と息子と三人で写真を撮ってそれを待ち受けとかにして置くんです。

人に聞かれた『付き合ってる人』とか

『子供が居るからゆっくり関係を進めている』とか適当に返事をしたら、

あっという間に知れ渡って誰もお節介焼かなくなると思うんですけど……

どうでしょう?」

我ながら良い案だと思ったんだけどなぁー


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