エンディングは”そこ”じゃない……
「・・・」
無言の彼にこの案はダメかと気を落としながら、自分の言葉が足りなかったと気が付いた。
「あっ!もちろんカムフラージュですよ。
私もお見合いの話が出たら写真を使わせて貰おうと思ったんですけど……
ダメですか?」
「アハハ……いいですよ。
運動会で写真を撮りましょう」
男性は楽しそうに笑って了承してくれた。
「お昼時間に間に合わせて来て下さったらお弁当も食べて貰えるし、直ぐに撮影も出来ますよ」
自分の案を受け入れて貰えて嬉しくなり、図々しくお昼まで誘ってしまった。
「ありがとうございます……大人になってから運動会は初めてなんです。
何かお手伝い出来る事があったら言ってください、折角なので朝から参加します」
身内でも退屈な運動会に朝から参加してくれるらしい……奇特な人だ。
それから私たちはお互いの連絡先を交換してセレモニーホールを後にした。
別れ際、男性からの問いかけ
「運動会とは別の日に……今度は私の話を聞いて頂けますか?」
そう言われて、男性の奥様の話を聞くだけなのに何故か嬉しく思っている私がいる。
「もちろんです。
私たち”腫れモノ同盟”ですから……」