ふわりゆるりとまったりと
ふわりゆるりとまったりと
視界の端に映る君の姿を認めて、ボクは自然に顔が綻んだ。
遠くから、声をかけるとぱぁぁっ!と音がつきそうな笑顔を浮かべて、こちらに走り寄ってきた。
12月24日の夕方の集合。
君はコートに、ズボン、マフラー、手袋、帽子と、すべてが真っ白だった。
『君はまるで、女性のようだな』
と、苦笑しながらいうと、
『君が女らしくないからね、僕が女らしくなっちゃうんだ』
と、意味がわからない返しをしてきた。
『別にいいじゃないか』
むくれると
『うん、僕達の形でいい』
と、いってくる
ふわり、微笑むその姿は。
なんとも可愛らしくて、でも、かっこよくて。
どきり、僕の胸をゆらりと動かした。
腕を引っ張り唇を重ねると、真っ赤に染まる、君の頬。
それにつられて、ゆるり、ゆるりと、僕の頬も染まる。
『キスは……俺からが良かったなぁー……男の面木が……』
『だって、君があまりにも可愛くて、愛しかったから。それに、僕達には女も男もないのだろう?』
だからー!と叫ぶ彼の言葉を聞き流しながら、僕は口のはしをあげた。