FIRST KISS ~オムニバス~
「…………。」
頭が痛い。
寒気がする。
『風邪だね。』
すっぱり切られて部屋に寝ている。
部活休めるのは、ラッキーだけど。
「沙希?」
「……何ぃ?」
「大輔君。」
「……え?」
「大輔君来たわよ。」
母親が心配そうな目で見る中、彼が来た。
「何しに来たの……。」
「何って、お見舞い。」
本当は嬉しいのに、胸が痛くて仕方がない。
悲しい。辛い。
『……じゃあ、俺と一緒だな。』
聞くんじゃなかった。
言うんじゃなかった。
「……いらないもん、そんなの。」
「そういうこと言うなよ。」
「とにかくいらない!!」
可愛げのない言葉に、戸惑ったよね?
ゴメンね。