FIRST KISS ~オムニバス~

「里香~。」
「タケル!!」

気持ち良い晴れの日。
今日は初デートの日。
デート日和ってやつ!!
この前買った大好きなブランドの服をワンポイントにした自信のあるコーディネート。
タケル、可愛いって言ってくれるかな?

「……好き?」
「え!!?」

考え事してたから驚いた。
いきなりそういうのって聞くもの!?

「ケーキ。」
「へ……?え、あ、うん。」

何だ。
タケルいっつもこうなんだもん……。
ドキドキするけど、疲れる。
そこにも惹かれたんだけどね……。

「じゃあ、そこ入ろう?何か新しくオープンしたみたい。リュッセ・ショコラ。」
「ふ~ん。え、タケルケーキ好きだっけ?」
「まあまあかな。別に、里香がよかったら俺は良いよ。それで幸せだし。」
「そう?へへへ~。」

タケルから告白されたときは驚いた。
中学最後の夏、最後の出展が終わった後。
あたし達は美術部で。
タケルは運動派なのに、何故か文化部。
面倒だからとか言ってた。
けど、本当のことを知ったのはあの時。

「……好き、なんだけど。」
「え!?」
「1年のときに、一目惚れっつーか、なんつーか……。とにかく、付き合ってください!!」

告白は直球だけど、ぎこちない感じ。
でも、それが何となくおかしくて、ノリでOKした感じだった気がする……。

「タケル、同じ高校受けるってホント?!」
「おお……。」
「何で?万年赤点男なのに。」
「それ、傷付くから。」
「でも、落ちたらどうするの?」
「受かる!!離れたく、ないし……。」

君はいっつも照れていた。

< 20 / 65 >

この作品をシェア

pagetop