FIRST KISS ~オムニバス~
「ねえ、そういえばさ、空って青いよね。」
「え、超いきなりだね。」
「俺達と一緒だなと思って。」
「……どういうこと?」
川原に寝転がってボーっと空を見てた。
二人とも、部活をサボって。
寄り添って寝転がって、一緒に話した。
君は肩を抱いてくれて、それに任せてた。
「雲が俺らだとするよ?同じ方向に向ってるけど、絶対に何とも交わらない。空気とも、同じ雲とも。ほら、同じじゃん?」
「そんなに哲学的だったっけ?」
「う~ん、寝ぼけてるかも。」
「何なのよ。」
君は、ケラケラ笑って髪を撫でてくれた。
そんな時間が、下らないけど幸せだった。