FIRST KISS ~オムニバス~



「…………。」

「ねえ、あたし、好きなの。」

心臓が破裂しそうで、怖い。

「紫音に、避けられるの、嫌……。」

「…………。」

「好きだから……。」

紫音は、黙って俯いた。

あたしを見てくれなかった。

好きだって、受け止めてくれない?

そう思って、涙が滲んだ。


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