あたしをア・イ・シ・テ
それもそうだけど、なんで唯翔はそんなに冷静なの?
この奈々加の豹変振りに、もう少し驚いてもいいと思うんだけど。
もしかして、知ってたの?
「ユルサナイから…」
唯翔の背後からそんな低い声が聞こえた。
やっと暗闇に目が慣れて、奈々加がポケットから何かを取り出すのが見えた。
唯翔はあたしを庇うように手を広げてあたしの前に立った。
「ユイト、ちょっと寝ててね♪」
ぱちぱちっ、と奇妙な音がした直後、
うっ、と短い悲鳴を上げて、唯翔が倒れてしまった。
「え?」
あっという間の出来事で、あたしは動けずに唯翔をただ見つめた。
あたしの前には、スタンガンをパチパチ鳴らしながらにやりと笑う奈々加がいる。
「な、あんた、唯翔になにしてんの…」
「ちょっとショックを与えただけだよ?私たちの愛を守るためには必要なんだよね、ユイト?」
…ダメだ、今の奈々加じゃ話にならない。