あたしをア・イ・シ・テ



「そんなにやられてぇのかよ」


けらけら笑う侑矢に殴られてもあたしは、倒れないようにしていた。


少しずつ進んで、やっと侑矢の目の前に来たとかあたしは力の限り手を伸ばして侑矢の首を締め付けた。


「っおい!なにすんだよ、離せっ!!」


バットを振り回されて、足や背中に思いきり当たる。

痛いし、手に力なんて入ってないかもしれない。


だけどここで負けるわけにはいかない。


「ここで死ね」


あたしがそう呟いて、グッと手に最後の力を込めたとき。


後ろに体を引かれて、そのまま倒れこんでしまった。


「芽衣!芽衣!しっかりしろ!なんでこんな血だらけなんだよお前!意味わかんねぇよ逃げろって言っただろ!」


あぁ、唯翔の声がする。


唯翔の膝に頭が乗せられた。

ポタポタと顔に降ってくるのは雨?水?

…唯翔が、泣いてるの?


ねぇもう体が、体温がなくなったみたいに寒いの。


もう本当のお別れなのかな唯翔。


「大好きだよ唯翔…」


確かにあたしはそう言ったつもりだけど、唯翔に聞こえていたかはわからない。


そこであたしの意識は途絶えてしまった。



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