あたしをア・イ・シ・テ
あたしの復讐
Ⅰ
『芽衣』
凛とした声が頭に響いて、誰が呼んだんだろうかと、あたしはうっすらと目を開けた。
「お姉ちゃん!!」
その瞬間、がばっと抱きついてくる誰か。
「んん…?夏芽?ここどこ?」
匂いで夏芽だと判断したあたしがそう聞くと、
「ここは病院!お姉ちゃん、誘拐されて、それで…」
「誘拐…?」
誘拐、なんてあたしには縁の無さそうな単語が聞こえて首を傾げる。
でも頭を傾けたとき、ズキンっとすごい勢いで頭が痛くなった。
「った…」
思わず頭を押さえると、包帯が巻かれていることに気づいた。
「なにこれ?」
あたしがそう聞くと、夏芽はハッとした顔になった。
「もしかしてお姉ちゃん、なにも覚えてな…」
がららっ
「芽衣さん目が覚めたようですね」
「…?あ、え、はい…」
夏芽の言葉の途中で入ってきたその二人組に、あたしはビックリして言葉が出なかった。
なんと、厳しい顔をした警察官だった。
一人はおじさんで、もう一人は若そうな人だった。