あたしをア・イ・シ・テ
え、待って?
杉浦唯翔…、唯翔!?
その時、あたしの脳内に色々な光景が蘇ってきた。
バットを持った、奈々加。
それにあの廃工場。
「あたしの彼氏です!唯翔が危ないかもしれないです。今すぐ助けに…!」
勢いよく布団をはいで、ベッドを降りたけどふらりと警官の人に倒れてしまった。
少しでも動くと頭に痛みが走るみたい。
「ちょ、なにしてるの、安静にしてなきゃ。なに?今もしかして記憶が戻ったの!?急だな!」
警官は慌てたようにあたしを抱き止めて、そこら辺にあったパイプ椅子に座らせてくれた。
「初めから説明してくれるかな?」
警官はポケットから手帳を取り出して、あたしを見た。
「は、初めからなんて説明してる暇ないですよ!早く助けに行かないと唯翔が殺されちゃうかも!」
「え、あ、じゃ、簡潔にお願いできるかな!」
あたしも警官も慌てていて、こんなことしている場合じゃないのに、と余計焦ってしまう。
奈々加が唯翔を殺さなくても、侑矢が一緒にいたらもしかしたら…。
「あたし、廃工場でバットで殴られたりして、それであの、唯翔がまだそこに奈々加といるかも!」