あたしをア・イ・シ・テ



唯翔が危ないかも知れないのにこんなところでジッとなんてしていられない。


でも、あたしの腕には針が刺されていて点滴の器具が取り付けられている。

さっき立ったときも邪魔になったんだから、病院から抜け出すのにこれがあったら邪魔になる。


そうだ、スマホはどこだろう。


「あ、あった」


ベッドの脇にあった引き出しを開けてみると、ジッパーのついた袋に入れられていた。


なんでこんなものに?

あ、もしかして血がついてたりしたから洗ってくれた?。

それか警察に持っていかれて、とか。


そんなことはどうでもいいや、夏芽が戻ってくる前にここを出なきゃ。


スマホの電源が入るまで、ふと窓の外を見ると青い透明感のある空が広がっていた。


何時かまではわからないけど、起きたのが昼間でよかった。

夜だったらなにも出来ない。


「うわ…」


スマホの電源が入ったと思って画面を見ると、メッセージの通知が100件近く来ていた。


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