あたしをア・イ・シ・テ



ほとんどが家族や有莉沙だったけど、5件だけ唯翔から来ていた。

開いてみると、最初の一件は位置情報。

時間は21日の23時58分。


あたしが発見されたのが何時かはわからないけど、きっとこの時間よりも前なのは確か。

だって発見日が21日だからね。


わざわざ位置情報を送ってきてるってことは、もしかしたらあの廃工場から移動したのかも知れない。


地図でその位置情報を見ると、誰かの家らしかった。

唯翔の家ではないし、どこ…?


航空写真に切り替えて、アップにしてみてあたしはハッとした。


ここは奈々加の家だ。


う、嘘でしょ?

なんでそんなところに連れ込まれてるの…?

あらゆる悪い事態が浮かんできて、慌てて掻き消す。


とにかく、行ってみるしかない。


でも今のあたしが一人で行ったってなにも出来ない。


「あ、三崎さん…」


さっきの紙をポケットから取り出して、さっそく電話をかけた。


「…もしもし、三崎です」

「三崎さん!」

「おわっ、芽衣ちゃん!?どうかしたの?」

「唯翔、奈々加の家にいます!」

「奈々加の家!?住所は!?」


「えっと…××××…」

唯翔から送られてきていた位置情報の住所をそのまま読み上げる。


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