あたしをア・イ・シ・テ
「わかった。遠回りになるところにいるけど、30分あればいけるから!くれぐれも君は病院から出るようなことがないように!」
そう言って、ブツッと一方的に電話を切られてしまった。
「そんなこと言われても行かないわけないでしょ」
唯翔の顔を見るまで、いや、無事だとわかるまで安心して眠れない。
一応、唯翔にメッセージを送ってみたけど既読もつかないし、もしかしたら奈々加にスマホを取られているのかも。
あたしは腕に刺さっている点滴の針をゆっくり引き抜いた。
「…っ」
ちょっと痛いけど、こんなのがあったら外歩けない。
あと、着替えがないとダメだ。
引き出しを適当に開けると、二段目に着なれた服があるのを見つけた。
そういえば、あの廃屋に連れていかれたときは制服だった。
きっとボロボロだし、買いなおさないといけない。
お母さんたちにすごい迷惑かけてるな、あたし。