あたしをア・イ・シ・テ



ぐいっと奈々加の髪を引っ張り、反対の手でビンタをする。


「ったぁ!なにすんのよ!ぶっ殺すわよ!?」


「!?」

奈々加がサッとベットの下から出したのは、小さなナイフ。


後ずさりをしたつもりが、床にあった何かでこけて尻餅をついてしまった。

後ろは壁。

逃げ場はない。


確実に死が迫っていた。


「邪魔者はシネ」


「いやぁぁぁーーー!」

キラリと光るナイフに、あたしは目を思いきり瞑った。


刺される!と思った瞬間、

「そこまでだ!!」

という声と共に警察官が二人入ってきた。

三崎さんたちだ!


「痛っ!?」

「なによアンタたち!」


奈々加が動揺し、落としたナイフがあたしの腕を傷つけて床に落ちた。


「相沢奈々加だな?拉致監禁の容疑だ」


香川さんが奈々加に手錠を嵌めた。


「はぁ!?なによこれ!離しなさいよ!」

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