あたしをア・イ・シ・テ



「心配だったのはお前だろ…。工場から外出てみたらお前血だらけだし、なにかと思ったわ」


「あたしも侑矢がいるとは思わなくて」


…そういえば、侑矢は?

奈々加の家には、いなかったよね?


「侑矢までグルだとは思わなかった。アイツはまだ逃げてんじゃねぇか?」

「捕まってないってこと?」

「そういうことだな」

じゃあここに来る可能性もあるってこと?

奈々加のためとか言ってまた殺されかけるなんて、もう嫌だ。

病院だからあんまり怪しいものを持って入るのは無理だろうけど。

「それより、だな…」

唯翔は俯きめにぼそっとそう言った。


首を傾げると、奈々加のこと、と言われた。

あぁ、そうだ、聞かなければ、全て。


唯翔はぽつり、と話し出した。


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