あたしをア・イ・シ・テ
どちらを選んだって、芽衣が傷つくのはわかっていたのに。
「…。お前とはフリ、でいいのか」
「フリじゃ困りますよ。ちゃぁんと、浮気、してくれないと」
つまり…普通の恋人と同じように相沢に接しろってことか?
そんなの、芽衣への裏切り以外の何物でもない。
「俺は芽衣を傷つけたくないんだ。浮気なんてしないからな。俺は帰る」
俺は早く芽衣に会いたくなって、すぐにボールを拾い上げて部室に向かった。
っつか、俺どんだけアイツのこと好きなんだよ…。
なんだか恥ずかしくなってきた。
そんな俺の後ろには、
「取引は、ナシですね」
とニヤリと笑う相沢がいた。