あたしをア・イ・シ・テ



――――「ゆーいーとー?」


ふと気づくと、目の前にはパスタをぐるぐる巻いたまま、俺を見つめる芽衣がいた。


そうだ、芽衣と昼飯食べに来たんだった。

くそ、相沢が変なこと言うから。


「あ、わりぃ」

「なに?珍しく考え事?」

「んだよ、珍しくって」


そう言って怒った振りをしながら、芽衣のシーフードパスタのホタテを盗んだ。


「あー!ちょっと、楽しみにしてたのにー!仕返し」


ひょいっ、と俺のオムライスを一口分すくっていく。


「あ、おいしい~」


幸せそーな表情の芽衣を見て安心した俺は、そのあとは芽衣の話をちゃんと聞いていた。


「芽衣、今日俺んち来るか?」


「ん?行きたいところないならそれでもいいけど」


行きたいところは特にはないし、なんか相沢の話が頭をぐるぐるして外に出ていたくない。


「じゃあ行こうぜ」

「あ、待ってリップぬる!」


俺はサイフを持って立ち上がり、芽衣がモタモタしている間に会計を済ましてしまった。


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