あたしをア・イ・シ・テ
「…用事終わったから来たんだよ」
ありきたりな答えだった。
もっとほかにないのか。
「てか、奈々加も、どした?お前、普段部室来ねぇのに」
「あ、わ、わたしは、ちょっとみなさんの顔見ていこうかな~と、思って…」
ナニソレ意味わかんない。
あたしは思わず吹き出しそうになった。
「はは、なんだよそれ。んじゃ、二人ともここで昼食うの?あと10分ぐらいしかねぇけど」
「あ、わたしは食べてきたので」
「俺も」
うわ、なにこの二人。
ボロが出まくってるよ。
奈々加はいいとして、唯翔は教室にいなかったのにどこで食べたんだってことになるのに。
浮気するぐらいならもっと上手くやればいいのに。
先輩は少しお馬鹿なのか、その二人の発言に疑問を持たず、そっか、とだけ言った。
「んじゃ、俺らまだ昼の途中だしじゃあな。芽衣ちゃんよかったね唯翔いて」
「はい、ありがとうございます!」
カララ、と閉まるドア。