あたしをア・イ・シ・テ
最後の復讐
Ⅰ
――2か月後。
あたしは久々に制服を着て、学校へ行く準備をしていた。
だいぶ殴られた頭も、幸いなんの後遺症も残らずに、無事退院できた。
唯翔はあれから数日で退院して、とっくに学校に通っている。
みんなに大騒ぎされた、ってちょっとご機嫌斜めだったのを思い出して少し笑ってしまう。
「行ってきまーす」
「お姉ちゃん気を付けてよ!」
「はいはい」
ご覧の通り、妹にまで心配される始末。
あたしは久しぶりのローファーを履いて外に出た。
「あ、唯翔。おはよ」
「はよ。乗ってけよ」
家の門の前には、自転車を引いた唯翔がいた。
待ち合わせなんて、してなかったけどな?
あたしは素直に自転車の後ろに乗って、唯翔に聞いた。
「そんなにあたしに会いたかったの?」
「なにバカなこと言ってんだ。ほぼ毎日病室で会ってたっつの」
「バカとはなによ、バカ唯翔」