あたしをア・イ・シ・テ
教室には、あたしと有莉沙の二人しかいない。
みんなはもう部活や帰宅をしてるだろう。
唯翔の部活が終わるまで、有莉沙も一緒に待ってくれると言って、話もした。
「芽衣、危ないことはもうやめてね?命が一番大事だよ」
有莉沙にぎゅっ、と手を握られる。
あたしは有莉沙に微笑んで、うなずいた。
「平気。決着つけてくるね」
「全く、芽衣は昔から危なっかしいんだから~」
「昔っからってあんた、中学からの付き合いでしょ」
「細かいことは気にしないの!」
ふ、と有莉沙が教室の外を見て、
「お迎えが来たよ」
と笑った。
振り返ると、唯翔がいた。
時計を見ると、時刻は4時22分。
「じゃ、行ってくるね」
有莉沙に手を振る。
「行ってら~」
あえていつもの軽いノリで別れて、あたしは唯翔の元に駆け寄った。