あたしをア・イ・シ・テ
「あれは、私が頼んだわけでも、侑矢の意思でもないんです」
「え?」
ますます意味がわからない…。
唯翔を見ると、険しい表情をして奈々加の話を聞いていた。
唯翔はなにか、知ってるの?
「ある人物に頼まれたんです、侑矢は。
そして、目的を達成できなかったから、と侑矢はその人物に暴行を受けたんです」
ある人物、と言った瞬間ぴくり、と唯翔が反応した。
「唯翔…?もしかして心当たりあるの?」
「名前も顔も知らないし、関係があるかもわからないけど。知らないヤツから、変なメッセージが来るんだよ。
芽衣が入院し始めた頃ぐらいから」
あたしは目を見開いた。
そんなの初耳だ。
驚いて唯翔を見ると、
「彼女に変な心配掛けられるかよ」
と小さい声で言われた。
「きっと、侑矢に頼んだ人と同一人物だと思います」
きっぱりと言う奈々加に、違和感を感じる。
まるでもう、その人が誰かわかっているかのような。
「奈々加は…その人がわかってるんでしょ?だからあたしたちを呼んだ」
というか、頼まれた侑矢ならもう、その人の顔を見ているはずだから、わかっているんだ。