あたしをア・イ・シ・テ
「私、血が好きなんです」
唐突に紡がれた言葉に、あたしは言葉を失った。
…血が、好き?
「なに言ってるの…?」
「そのままの意味ですよ?
私、芽衣先輩に協力したら、いつかこうやって理由をつけて人を殺せるんじゃないかなって思って!
血が沢山見られて嬉しいです…ふふっ」
「く、狂ってる…」
あたしは思わず後ずさった。
そんな理由であたしに協力していたの?
そんな理由で、親友だったひとを殺せちゃうの?
「狂ってる?それは壮大な勘違いじゃありませんか?」
あたしが狂ってると言った途端、まどかの目がとても冷たいものになった。
嫌だ、嫌だ、嫌な予感がする。
あたしはこの目を知ってる。
あの時の奈々加と一緒だ!
「自分の本能に従っちゃいけませんか?芽衣先輩だって本能に従って復讐をしたかったんでしょ?なにが違うって言うのよ!」
「いやっ!」
ぐっ、と胸ぐらを捕まれる。
息が出来ないほどに服を引っ張られて、あたしは苦しくてまどかを突き飛ばした。
「…けほっ、なにすんのまどか!」
「うるさいのよ!」