あたしをア・イ・シ・テ
「血が見たいのもありましたけどぉ…。
一番は、あわよくば、
芽衣先輩が死なないかなぁって
思ってましたっ」
アハハハッと笑いながらナイフを振り回し始めるまどか。
予想もしていなかった言葉に、あたしは目を見開いた。
まどかは、あたしに死んで欲しかった…?
なんで…?
「な、なんで…」
あたしは思ったことをそのまま口にしてしまった。
「なんでって、私、唯翔先輩が好きなんですよ」
「…!!」
まさか、まどかも唯翔が好きだったの!?
「サッカー部に入部したのも一目惚れしたからです。
でも、芽衣先輩と付き合ってるって知って、密かに想うだけにしようと最初は思ってました。
だけど、奈々加が行動に出た。
だったら、私も行動するしかないでしょ?
私、いつも思ってたんですよね。
奈々加はなんでこそこそと面倒くさい浮気なんてするのかなって。
芽衣先輩がいなくなれば、全て手に入るじゃない、って」