あたしをア・イ・シ・テ



あたしの中の今まで仲良くしていたまどかの姿が音を立てて崩れていく。


高校に入り、再会したときからもう歯車は狂い始めていたんだ。


いや…、それを言ったら唯翔と出会わなければ。

あたしは何を言ってるんだろう!


唯翔と出会わなかった人生なんて、今更考えられないのに。


あたしはまどかの自分勝手な理由を聞いて、ふつふつと怒りが湧いてきていた。


今、まどかの神経を逆撫ですれば、殺されるかも知れない。


それでも言わずにいられなかった。


「ふざけんじゃないわよ!!なに自分勝手なこと言ってるの!?あたしと唯翔の邪魔しないでよ!!」


あたしの精一杯の叫びだった。


なんでこうも他人に邪魔されなきゃいけないの。


あたしは唯翔とただ普通に過ごしたいだけなの!!


「自分勝手…?お前が唯翔先輩と別れれば良いだけだろ!?」


ついにまどかの口調が変わり、ナイフをあたしの腕へ降り下ろしてきた。


「!」


咄嗟に避けたものの、刃物と素手じゃなにもすることができない!


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