あたしをア・イ・シ・テ
黒髪のセミロング。
美人とは言いがたいけど、まぁ普通にいそうな大人しそうな子。
どっちが先に声かけたのかな?
あたしは俯いて、唇を噛んで我慢していた。
泣きそうなのを?
違うよ、笑いそうになるのを。
「これからどうしてやろうかなぁ…」
小さく呟く。
「え?なんか言った?」
「え?なんにも?んじゃあたし、有莉沙待たしてるから行くね」
「あぁ、じゃ、またあとで」
コラコラ唯翔、彼女に向かってそんなホッとした顔を見せるなんておかしいよね?
あはは、まぁ、わかりやすくていいけど。
あたしは颯爽と有莉沙の待つ教室に帰った。
そのあと、昼休み残り5分で帰ってきたあたしが、有莉沙に怒られたのは言うまでもない。