あたしをア・イ・シ・テ
エピローグ side:××
「あの頃が一番やばかったよなぁ」
俺はコーヒーにミルクを入れながら苦笑いする。
向かいに座る彼女も苦笑しながら、レモンティーを飲んだ。
「でも、あたしは悪くないと思うのよね。全部、あなたの問題じゃない?」
「いや、お前が知らないだけで、俺がどれだけこの手を汚したか…」
俺はあからさまにため息をつきながら、手をプラプラ、と振ってみせた。
「どうせ手を汚したなんて言って、泥が付いたとかそっちの意味なんでしょ?」
「んなわけがあるか、あほ」
俺が少し睨むと、彼女はあの頃と変わらぬ笑顔で笑った。
「そろそろ行くか」
「そうね」
俺たちはそろって立ち上がる。
俺が会計をしている間、彼女は店の外で待っている、と先に出ていった。