あたしをア・イ・シ・テ



―――――――カラカラ、と音の鳴るあのドアを開けて部室に入る。


「くさ…」

さすが男子の部室と言ったところか。

超臭い。


この間入口に居たときにはわからなかったけど。

まぁでも、ナニかあるはず。

ドアを閉めて、一歩踏み出した瞬間、


「っわ、きゃぁぁ!?」

バサッ、バサバサ…


「いったぁ…腰打った…」


腰を擦りながら体を起こす。

もう自分でも一瞬なにが起きたかわからなかった。


どうやら床にあったユニホーム?練習着?を踏んで滑ったみたい。


しかも、一回転したし、超腰痛い。

あたしはドジっ子かよ。

自分で自分に突っ込みを入れながら、散らかしてしまった所を少し片付けた。

元々汚かったから、バレないだろうけど。


「あ、…」


そして、床に落ちたソレを見た瞬間、一瞬でピンと来た。

これだ、唯翔たちはこれのために戻ってきたんじゃない?


あたしの目の前には、あたしが転んだ拍子に上の棚から落ちてきたらしい避妊具の箱。

あいつらはきっと、あの教室でするつもりだったんだ。


人気がないのを良いことに。


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