あたしをア・イ・シ・テ



ギリッと無意識の内に歯ぎしりをして、あたしはその避妊具の箱を手に取った。


だいたいなんでこんなもんが、部室に…


…と思ったけど、こんなところ休みなら誰も入らないし金はかからないし丁度良いのかもしれない。


「…気持ち悪~…」

よくこんな剥き出しのコンクリの所で、しかも汚いところでする気になるね。


あたしと唯翔はそこまで求めあうような性格じゃないからそんなにそういう行為はしない。

精々、したとしてもキスぐらい。

ということは、誘ったのは、奈々加?
ふぅん、大人しそうな顔してよくやるね。


これも何かに使えるかも知れないし、1つもらっておこう。

さて、早々に目的のものが見つかっちゃって暇だな。


部室を見回すと、奥にパイプ椅子が立て掛けてあるのが見えた。

ちょっと錆びてそうだけど、立ってるよりはマシかな。


今度は転ばないように移動して、パイプ椅子を広げて座った。


「5時半か…」


あと30分すれば、部活終わるかな。

今日は早く終わるみたいだし。


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