あたしをア・イ・シ・テ
じーっと見つめていると、微かに睫毛が動いて、唯翔が起きたのがわかった。
「…んぁ、芽衣、起きたのか…」
「唯翔のほうが寝てるじゃん」
「うるせ…ふぁあ…よく寝た。さて、帰るか…」
「え?授業は?」
6時間目ぐらいは出ないとと思っていると、唯翔はあたしの頬をつねって言った。
「ばか。午後の授業も部活もとっくに終わったっつの」
「え、えぇ!?」
そ、そんなにあたし寝てたの!?
ビックリして大声を出しちゃったよ。
「だから、一応……心配してたんだよ」
そう言いながら、唯翔はぷい、と顔を背けてしまった。
あ、照れてる。
というか、部活とか言ってるけど唯翔ジャージじゃなくて制服着てるし、もしかしたら部活まで休んでくれたのかもしれない。