あたしをア・イ・シ・テ
手紙の内容は至ってシンプル。
『月曜日の放課後、教室棟の屋上へ』
あたしは、唯翔に問い詰める前に奈々加にたっぷり仕返しをしようと決めた。
この行動を起こしたきっかけは、昨日のこと。
昨日の土曜日は午前練で、あたしは午後唯翔にデートしようと誘った。
しかし、返ってきた答えは、NO。
用事があるから、と言われた。
ふぅん、なんてあたしが納得するはずがない。
あたしはその日、午前中の内から唯翔の家の前で見張っていた。
唯翔があの子と出掛けるなら、それを付けようと思ったのだ。
すると、午後一時過ぎ。
練習が終わって帰ってきたであろう、唯翔と私服姿の奈々加が二人で歩いてきたのだ。
まさか一緒に家まで来るとは思わなかった。
心の底からあの子を殺したくなった。
あたしの唯翔にベタベタ触りやがって。
拳を握りながら、怒りを抑えていた。
まだだ、まだだ。
二人がこれからすることを写真に収めてやらなければ。