あたしをア・イ・シ・テ
「夏芽、勉強はどんな感じ?」
「ん~?普通かなぁ。お姉ちゃんとこ、そんなに偏差値高くないし」
「ひどいなぁ、あたしんとこだってバカってわけじゃないし」
夏芽はあたしと同じ高校を受けるらしい。
全く、あたしがバカみたいじゃん。
ここら辺じゃまだ偏差値も高い方だし。
頭の良い妹を持つと損だね。
ふいに、ふわっと、キッチンから甘い匂いが漂ってくる。
その匂いに、あたしは雑誌から顔を上げて
匂いの元を探した。
「あ!フレンチトースト!」
「ふふ~、あげないよーん」
ニヤリと悪戯な笑みを浮かべる夏芽。
我が妹ながら可愛い表情をする奴。
「その代わりコーヒーは入れてあげるよ」
カチャカチャと食器の音がして、しばらくするとあたしの前にコーヒーの入ったカップが置かれた。