あたしをア・イ・シ・テ
「んで、何にするの?あたし味噌~」
「俺、豚骨な。頼んどいて、トイレ行ってくる」
「はいはーい」
唯翔はスマホをポケットに突っ込んでトイレに歩いていった。
その間にあたしは注文をした。
あたしが座ったところが、ちょうどお店の入り口が見えるところで、お客さんが紙に名前を書いていくのが見えた。
そっか、晩御飯時だしサラリーマンとかが食べに来るのか。
ちょっと遅かったらあたしたちも並ぶところだったな。
ボーッと頬杖をついていると、急に冷たいものが顔にかかった。
「うわっ!?」
「さっき笑ったお返し」
いたずらっ子みたいな笑みを浮かべて、席につく唯翔。
手からはまだ水が垂れている。
「ちょっと待ってそれ手洗った水でしょ!?汚なっ!」
「はぁ?洗ったんだから綺麗だろ」
「いやいやいや…」
「おまたせしました味噌と豚骨ラーメンです」
会話を遮り、ドンドンっ、と置かれる二つのラーメン。
「おいしそ~」
あたしは、唯翔にかけられた水のことも忘れて、ラーメンに夢中になった。
あ~、いいにおい~。
やっぱラーメンは味噌に限るね!