あたしをア・イ・シ・テ
「…ねぇ、有莉沙どうしたんだろ、大丈夫かな?」
今は一時間目が終わって休み時間。
まだ有莉沙は戻ってこない。
絶対におかしい、すごく不安になってきた。
「確かにこれはおかしいな。探しに行ってみるか?」
唯翔も普段は見せない真面目な顔。
あたしたちは教室を出て、呼び出されたという校舎裏に向かった。
先生たちの車が止めてある以外に、なにも見当たらない。
「有莉沙…、有莉沙…」
あたしは呟きながら、校舎裏をうろうろした。
「俺、あっちの方も見てくる」
そういうと、唯翔は体育館の方に走っていく。
有莉沙、どこに行っちゃったの?
学校内で誘拐なんてことは…
まさか、先生の誰かが車で…
嫌な想像が頭を駆け巡る。
「うわぁっ!!?」
「唯翔!?」
唯翔の叫び声がした方向に、頭よりも先に体が反応しあたしは走っていた。