あたしをア・イ・シ・テ
「芽衣、大丈夫か?」
気がつくと、周りには唯翔しかいなかった。
唯翔に腕を引っぱられて、フラフラと立ち上がる。
「びっくりしたな、マジで。俺たちが来なかったらやばかったかもな…」
「…」
ショックすぎて、頭が回らない。
朝のハッピーな気持ちはどこへやら。
「…、芽衣、今日は早退したらどうだ?部活終わったら家に寄ってやるよ」
部活…、あのマネージャーに会わせるのは嫌。
咄嗟にそんな気持ちが湧いてきた。
「部活…休んでよ。あたしといて」
「なんだよ、らしくない」
そう言いながらも、唯翔はあたしの頭を優しく撫でてくれる。
「じゃあ、学校1日頑張れ。それで、部活やらないで一緒に帰るぞ」
「ありがと、唯翔」
そうは言ったものの、今日1日なんて乗り越えられる気がしない。
有莉沙…死なないでね?
無事でいてよ?
心配で胸が張り裂けそう。
有莉沙はかけがえのない親友だから。