あたしをア・イ・シ・テ
―――「ただいまー」
「お邪魔します」
有莉沙のお見舞いが終わり、あたしの家へと帰ってきた。
唯翔つきで。
あたしが唯翔の家に行ったり泊まったりすることが多いから、あたしの家に来るのはなんか新鮮。
「お姉ちゃんお帰り。あれ、唯翔くんだ!こんにちわ」
またもや夏芽と階段で鉢合わせした。
最近よくあるなこれ。
「夏芽?でかくなったな」
ぽんぽん、と唯翔が夏芽の頭を撫でるとさすがの生意気妹も照れてる様子。
夏芽からしたら唯翔は兄で、唯翔からしたら夏芽は妹で、兄妹みたいな感じなのかもしれない。
「唯翔くんにでかくなったって言われてもな~」
ちら、と夏芽が唯翔を見上げる。
「夏芽が唯翔に勝てるわけないでしょ」
「いやでも、お姉ちゃんには勝ちたいかな…」
「…縮め」
あたしと夏芽の身長差は、10㎝あるかないかぐらい。
妹よりチビなのは癪だ。
「お前らムダな争いすんなよ。ガキか」
「うるさい巨人め」