あたしをア・イ・シ・テ
「お腹すいたなぁ」
パジャマが入った袋を片手に呟く有莉沙。
…呟きと言うかあたしに聞かせようとしたと言うか。
「もうすぐ昼時過ぎるし、どっか入ろっか」
あたしがそう言うと、有莉沙は目を輝かせて、料理の名前を呟き始めた。
「有莉沙こわい」
「パスタ!」
「待って、なにも噛み合ってないよ」
パスタ!じゃないわ。
あたしもお腹すいたからそれでいいか、と丁度見えてきた洋食屋に入った。
「こちらにどうぞ~」
にこやかな店員に案内され、窓際の二人がけに座る。
「あいててよかったね」
「うん!あ、はい、メニュー」
「ありがと。あたしこれ食べたかったんだ~」
トマト系のパスタを指差すと、有莉沙もあたしコレ!とカルボナーラを差した。
「じゃ、注文しといて!あたしトイレ行ってくる」
「おっけ~」
あたしはスマホを片手に席を立った。